書感想文

古典や新刊をはじめ、1冊の文庫・新書を1週間かけて読み、200字程度の感想文を発表します。
200字は原稿用紙で言うと半分。
たった200字なら簡単?
それが結構難しいんです。
伝えたいことはいろいろあるけど、200字程度の制限があるのでその中から最も伝えたいこと1つに絞り、効果的に発表しなければなりません。
大した感想が無くても、無いということを伝えるのに200字は本来少ないのです。

大切なことを選びぬく力と伝える力を身に着けるため、ゼミナールではあえて200字程度に制限しています。

このページではゼミ内で読んだ本の感想文を紹介していきます。
(感想文中に著者の文章を引用することがあります。)


平成26年4月11日(金)
『読書は「アウトプット」が99%: その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方 (知的生きかた文庫)』(藤井孝一著)
石川のぞみ
この本は、本の内容をインプットするだけでなく、アウトプットするべきと強く語りかけている。
単に読むだけでは知識に留まってしまう。
その知識をアウトプット(話す、書く、行動する)することで、知識が知恵になるのだ。
これが本書から学んだことで、一番印象に残っていることだ。
鈴木政博
まず、アウトプットとは何だろうか。
この本の表紙を見て真っ先に考えたことはそれだった。
インプットはともかく、あまり聞かない言葉であり、調べた結果「吸収した経験や学習をもとにして出来た成果や実績」とあった。
この本の著者は「話す」「書く」「行動する」の三つをあげていた。
つまり、読み方だけでなく読んだ後の行動でさらに読者の質をあげるのだと書いている。
読者に対する意外な観点や、自身の経験に基づいた考え方にはとても驚かされた。
本を読むこと、この読書をしたという結果以上の何かを見出すこと、それをこれからの課題とし、著者とは違う自分なりの見解を見つけていきたい。
藤本直樹
読んでいて今まで考えたことのなかった、自分の読書に対する姿勢というものを見つめ直すことが出来た。
自分は今までビジネス本や実用書をあまり読んだことが無く、いつか読んでみたい、そのうち読むようになるだろうと敬遠してきた。
ただそんな難しく考える必要などいらないと分かったので今度読む物を探したいと思った。
また著者が一貫して主張している、インプットとアウトプットの両立、むしろアウトプットの実践の方が重要というのは、
読んでからずっと考えさせられている。
読書というのは、自分の行動次第でダイヤにもクズ鉄にも変化するのだと思うと、せっかくの読んだ時間を無駄にはできないと感じている。

平成26年4月22日(火)
『春を背負って (文春文庫)』(笹本稜平著)
鈴木政博
普段、関わることのない山について書かれてあり、表現によって場面ごとの背景を想像でき、山について興味を惹かれた。
この本は、いくつかの短編の連作となっており、主人公が山小屋を営む上で、様々な出会いをしていく物語だった。
私は、三話目の「野晒し」が面白いと感じた。登山道補修の際、死体を発見する所から始まり、老登山家と死体との不思議な縁や、
素敵な夫婦愛に感動した。
私はこの本を読み、山に対してとても惹かれた。しかし、山に登りたいとまでは思えなかったので、映画となった物を楽しみたい。
藤本直樹
この話は山のもつ目に見えない特別な力が人と人をつなぐあたたかい話だと思った。
登場人物の持つ考え方や悩みはとても現実じみていて、実際に存在していそうなのに、
それを山のありとあらゆる物がつつみ込んでいるかのように不思議な出来事が起こるので読んでいて重い気持ちにならなかった。
また、作品のいたる所で自分の夢について考えさせられる事が多かったのが印象的だった。
細川義人
春を背負ってを読んで人と人とのつながりがとても不思議で大切なものだと感じた。
主人公も挫折を経験し、父の知らなかった人との関係に携わり山というものに魅いられていく様を見事に書かれている。
それを経て享も自然と影のある人々と出会い山小屋で心を変えていくことがとてもおもしろい。
人のために生きることが幸せなのかもしれないという一文が心に響き、人が変わるということは簡単なことではないが、
何かきっかけが大事だと気づける心温まる物語となっている。

平成26年4月29日(火)
『ハムレット (岩波文庫)』(シェークスピア著)
鈴木政博
まず、この本はとても書き方が独特で、会話がほとんどを占めているので描写が少なく読みづらく感じた。
あらすじは王が急死する所から始まり、ハムレットが先王の亡霊と会い復讐を誓うが、そのことがきっかけで、様々な人が死んでいくというものだった。
この物語を読み、私が考えたことは、ハムレットが復讐をしなければならなかったのか、ということだ。
父を殺されたとはいえ、私情に駆られすぎだと感じた。
これだけ王族やその関係者が死ねば国への影響も大きいはずなのに、
復讐だけでなくその後まで考えないハムレットは、王族としては失格だと感じた。
又、その後の国がどうなったかも気になるところだ。

平成26年5月20日(火)
『イニシエーションラブ (文春文庫)』(乾くるみ著)

平成26年6月10日(火)
『ひとを“嫌う”ということ(角川文庫)』(中島義道著)

平成26年6月17日(火)
『時をかける少女(角川文庫)』(筒井康隆著)

平成26年6月24日(火)
『阪急電車(幻冬舎文庫)』(有川浩著)

平成26年7月8日(火)
『どちらでもいい(ハヤカワepi文庫)』(アゴタ・クリストフ著 堀茂樹訳)

平成26年7月15日(火)
『忙しい日でも、おなかは空く(文春文庫)』(平松洋子著)